パニック発作がやってきた25

パニック発作がやってきた25

パニック障害を発症した当初のお話です。

シリーズもので少しずつ記事を増やしていこうと思います。

パニック障害になってしまった人間の1例としてご覧ください。

最初から読まれる方はこちら

前回記事はこちら

AさんとRさんは本当はバレたいのではないかと思えるくらい

分かり易い行動を取っていたが

どうやら本人たちは本気で隠し通せている(バレるわけない)

と思っているらしい。

相変わらず周囲は僕に探りを入れてきていた。

何度も聞かれて嫌気がさしてきていた僕は

「そんなに気になるなら本人に聞いてみたらいいじゃないですか?」

と返事をするが、決まって

「聞けるわけないじゃん!違ってたらまずいじゃん!」

「所長相手にそんなこと聞けないでしょ?」

というような答えが返ってくる。

有らぬ疑いを掛けて間違ってたら悪いと思えるのに

第3者の僕の口から聞き出そうというのはいいことなのか?

聞いてくる人は興味本位で聞いているつもりなのだろうが

人の秘密を知りたがる人の中には

秘密だと言われたことをあっさりバラしてしまう人もいる。

何でこの人がこんな事知ってるの?

どこからそんな話が出てきた?

中には根も葉もないような噂話を広げて

自分は情報屋なんだと鼻高々に話す人だっている。

僕に聞きに来る人の中にはそういう人もいた。

 

誰にも迷惑がかからない範囲で

不倫関係の話が広まる分にはどうでもいいが

広めたのが僕だった…というのだけは絶対に避けたかった。

僕だって口が軽いとか信用置けないと思われたくはない。

そもそもたまたま不倫の事情を知ってしまったというだけの僕が

こんなくだらないことで信用を落としたくない。

バレるなら本人たちの甘さから…そう願っていた。

その後も2人の関係は順調の様だった。

順調ならそれはそれでいい。

僕も別に関係が壊れてほしいわけではない。

Aさんが奥さんと離婚するというのならそれも有りだと思うし

不倫してみたけど結局合わずRさんと別れてしまったとしても

それもしょうがないだろう。

 

別部署に異動して1年が経とうとする頃には

僕が事情を知っているからか、Rさんの僕に対する態度も

以前よりフランクになっていた。

聞くところによると次年度には所属部署の責任者になるらしい。

2人も管理職になるわけだ。

出来る事ならこれ以上気を揉む事態にならなければいいな、そう思っていた。

そんなある日の夜勤中、1通のメールがあった。

差出人は前所長であるWさんだった。

Wさんは半年ほど前に別現場の所長として異動された方で

僕とは今の現場で半年程しか一緒に仕事をさせてもらえなかったが

仕事に厳しく知識も豊富で、求めてくるレベルも高い

仕事の事で質問されると萎縮してしまうものもいるくらいだった。

規律厳しく組織をまとめるタイプで

30代前半の若いうちから責任者を任されてきた実力者。

その手腕を買われて別の現場の所長を任されここを去った。

Wさんが去る際入れ替わりで所長職に就く予定だった方が別にいたが

その方も別現場から異動したばかりで勝手がわからない部分もあり

一時的にAさんが現職の所長になっていた。

 

そんなWさんからのメールには

『時間が取れそうだったら連絡くれ』

というような短めの内容だった。

夜勤中とはいえ時間もそんなに遅くは無かったので

折り返しの電話をしてみる。

prrrr

prrrr

prrrr

ガチャ

「あ、もしもし?ゆうまるくん?ごめんごめん、こっちから掛け直すよ」

ガチャ

出てそうそう切られ??となったがすぐさま着信が来た。

折り返しで掛ってきたのはWさんの社用携帯からだった。

管理職には社用携帯が支給されていてる。

長話になると僕の電話代がかかってしまうと

気を回して掛けなおしてくれたらしい。

確かに社用携帯であれば個人の負担にならない。

Wさんの配慮に感謝しながら用件を聞いた。

 

僕「お久しぶりです。僕に連絡なんて珍しいですね。どうされました?」

W「突然の質問で悪いんだけどさ、知っていたら教えてほしい」

僕「なんでしょう?」

W「AさんとRさんて付き合ってるってホント?」

僕「!!!!!!!?」

僕「え?!」

一瞬動揺してしまったが質問を返した。

僕「あ、えー、まぁ良く話すところは見ますけど、そういう話は聞いてないですね」

僕「どうしたんですか?突然。」

W「いや、な。」

W「ちょっと噂で2人が付き合ってるって聞いてさ、マズイじゃん?Aさん不倫になっちゃうし。」

僕「そうですねー、それがホントなら不倫ですねー。」

W「しかも仲良くなったきっかけってのが俺の送別会らしいんだわ」

僕「………」

 

 

おいおいAさんよ

思った以上にあなたの秘密は広がっていそうだぞ…。

だいたい、なんで皆僕にばかり探りを入れてくるんだよ!

いい加減うんざりなんだよ!

そう叫びたい気持ちを押し殺して

Wさんとの会話は続くのだった。

 

読んでいただきありがとうございました。

次回はパニック発作がやってきた26です。