パニック発作がやってきた⑧

パニック発作がやってきた⑧

パニック障害を発症した当初のお話です。

シリーズもので少しずつ記事を増やしていこうと思います。

パニック障害になってしまった人間の1例としてご覧ください。

最初から読まれる方はこちら

前回記事はこちら

2週間かぁ…。

正直不安でたまらなかった。

はっきりしたことは何もわかっていない。

取り敢えず「今」は健康体だということ

異常がある時でないと判断出来ない場合があるということ

それくらいだろうか。

思慮を巡らせつつ会計を待っていると

ベテラン看護師さんがやってきた。

「ゆうまるさん、違う病院に連絡したら

10日後にホルターを送れるって!」

……

あの後他の病院にも聞いてくれていたんだ…。

たった4日だが待つ期間が短縮されたことは

ものすごく嬉しかった。

するとベテラン看護師さんが

「私もね、たまに動悸がしちゃってずっと嫌な思いしててね

何回もホルターやってるんだけど毎回異常が出なくって…

不安だよね。少しでも早い方がいいよね。」

励ましいっぱいの笑顔で告げてくれた。

涙が出そうだった。

「ありがとうございます。」

深々と頭を下げ会計を済ませて病院を出た。

次来るのは10日後。

そう思いながら午後の仕事のため会社に向かった。

 

会社に着いてまず上司に

病院での受診内容と結果を伝えた。

といっても今回は異常が無かったわけで

上司としても判断に困るのが正直なところだっただろう。

僕は異常があると訴えても

病院での検査結果に異常がない以上

仕事にどう従事させるべきか…。

そう考えるのは想像に容易かったので

僕は自身の体調を見ながら

仕事をさせて下さいと告げた。

おそらくこれが最善だろう。

身体に異常が出ていない時の僕は

いつもの僕

元気な僕

に見えているはずだ。

見た目に分かる怪我をしたわけではないし

発熱のように数字などで判断できる状態でもない。

パッと見はいたって元気そうなのだ。

 

しかし、心の中では、いつまた昨日みたいに

体調が急に悪くなってしまわないかと怯えている。

胸中穏やかではいられない。

現状では体調面もそうだが

だんだんと精神面の負担が大きくなっていった。

仕事の負荷は落としてもらった。

それを周りは承知してくれた。

助け合い精神の強い職場のみんなと環境に

感謝しながら1日の仕事を終えた。

終業後、作業服から着替えているとふと

家に帰って1人になることに不安を感じた。

こんなこと今まで考えたことなかった。

もし、1人の時に体調が急に悪くなって

病院にも行けない

助けも呼べないようなことになったら

僕はどうなっちゃうんだ?

次こそ死ぬのか?

そんな考えが浮かんできた。

その時だ。

動悸が始まる。

ドッドッドッドッドッ。

思わず胸に手を当てる。

…また…か?

呼吸は苦しくなっていないし

意識もはっきりしている。

とても正常とは思えないが

昨日程脈も速くない。

動こうという気力湧かない代わりに

身体の些細な容体変化も全て

キャッチするぞと言わんばかりに

体中にアンテナを張り巡らせている感覚だった。

立ってはいられなかった。

「しばらく横になろう」

近くの簡易ソファにゆっくりと腰を下ろす。

身体が落ち着くのか

はたまた悪化するのか

不安な気持ちで動向を見守る。

幸いなことはまだ会社にいたことだった。

会社にいるうちは24時間必ず誰かいる

いざとなれば助けを呼べる。

そのことがすごく心強かった。

とはいえ、体調に問題なければ帰ることになるだろう。

当たり前のことだ。

およそ多くの人は用事もないのに

会社に居続ける理由なんてない。

少しでも早く退社したい人の方が多い。

僕もそれが大勢の意見だと賛同できる。

しかし、それが今は出来ない。

帰りたくない。

1人になりたくない。

帰ることに不安を感じている。

やっぱりおかしい。

なんとか落ち着かないかとひたすら待つ。

…。

……。

30分くらい経ってようやく落ち着いた。

これで3回目。

さすがに普通じゃない。

しかし、少し時間がたつと収まる。

はっきり言って何が何だか分からなかった。

だが、収まった以上帰らなければならない。

次の日が日勤なら無理を承知で会社に一泊を考えたが

あいにく夜勤だった。

翌日は夕方からの出勤になる。

一人でいることに不安を感じてしまった僕は

早く仕事の時間になればいいのに…

普段だったら思わないようなことを

考えながら帰路に着いた。

読んでいただきありがとうございました。

次回はパニック発作がやってきた⑨です。