パニック発作がやってきた⑩

パニック発作がやってきた⑩

パニック障害を発症した当初のお話です。

シリーズもので少しずつ記事を増やしていこうと思います。

パニック障害になってしまった人間の1例としてご覧ください。

最初から読まれる方はこちら

前回記事はこちら

程なくして病院に着く。

不思議なことに病院に着く頃には

手足に若干痺れを感じていたこと以外

症状がほぼ収まっていた。

車を降りた僕は

夜間診療用の出入り口へ向かった。

班長さんは仕事があるため会社に戻っっていった。

受付を済ませ

診察待ちのソファへ腰かける。

夜間診療は初めてだったが

思ったよりも人が多く驚いた。

さすがに昼間程とはいかないが

僕が待っている間も

夜間診療の出入り口では

ひっきりなしに人の往来があった。

数日前までの僕だったら

こんな景色は知らなかっただろう。

「病院で働く人たちって立派だなぁ」

そんなことを考えながら

名前が呼ばれるのを待っていた。


しばらくして名前を呼ばれ診察室内に入る。

診察室は大部屋に7~8名の先生や看護士さん

機材やベッドが4~5床くらいあったろうか。

僕以外の患者さんも中で診察を受けていた。

看護士さんらしき人が本人確認の為

僕の名前と生年月日を尋ねた。

本人確認を終え僕も症状を話す。

前もって電話で伝えていたため

応答はスムーズに行われた。

直ぐに心電図測定をされた。

2日連続の心電図測定。

僕の胸には前日の測定で付いた

測定器の吸盤痕が残っていた。

それを見た看護士さんが

「最近心電図測定されましたか?」

と聞いてきた。

僕は前日別の病院で検査を受けたこと

10日後にホルターを着ける予定だということを伝えた。

程なくして別の患者さんの対応を終えて

先生がやって来た。

先生は僕とのやり取りを看護士さんから聞き

心電図測定結果を見ながら質問してきた。

「ゆうまるさん、今身体の異変は感じますか?」

僕は電話した時よりも症状は落ち着いていること

手足の痺れが若干あるということなど

可能な限り細かく伝えた。

「心電図を見る限り異常はないですね。

手足の痺れはおそらく過呼吸からくるもでしょう。

ホルターを着ける予定とのことですが

どちらで受診されましたか?」

前日受診した病院の名前を告げると先生は

「心電図の測定結果で言えば異常は見られません。

しかし、別の病院で言われたように

心電図測定では拾えない場合もあります。

ホルターを着ける予定とのことですので

そちらの結果でより細かく判断できるとは思います。

大丈夫。今見る限りでは問題ありませんよ。

それよりも最近、食欲や睡眠は十分に摂れていますか?

疲れやストレスが原因で体調を崩し

同じような症状を訴える患者さんも多くいます。

毎日の生活に注意してみてくださいね。」

そう言って診察を終えた。

明確な自覚症状はあるのに

検査でも引っかからない

異常がないと言われる。

少し時間を置くと症状も落ち着いてしまい

何事もなかったように戻ってしまう。

ただ、身体がおかしい自信はある。

確かにこれでは診る方も困るだろう。

検査上健康な人間が異常を訴えてきても

判断材料が異常無しと断定しているのだから。

僕が医者の立場なら

試されてるのか?

とか

やっかいな患者だな

とか

思ってしまうかもしれない。

自分でも何が何だか正直分からない。

自分ではどうすることも出来なくて

何とかしたくて医者に訴えることしかできない。

でも結局は八方塞がりになってしまう。

結局僕の不調の原因は解らぬまま

2日連続で異常無しと言われる結果となった。

会計を済ませてタクシーを呼ぶ。

タクシーを待つ間

何で検査をする時に限って

身体の異変が収まってしまうのか…と考えた。

おかしくなったままだったら良かったのに…。

そうすれば検査で何かしら解ったかもしれないのに…。

異常がない方が良いはずなのに

そんな思考で頭がいっぱいになる。

……

だが、病院に行けると決まっていなかったらどうだろう?

会社で体がおかしくなった時

何としてでも病院に行きたい!

そんな感情で溢れていた。

病院に行けると分かった時

どれほど安心したか。

安心することによって異変が収束に向かった…?

それが要因か定かでは無いが

少なくとも

病院に行ければ解決するかもしれない

という思考がいい方に作用した可能性は多いにある。

身体に異常がないのなら気持ちの問題?

先生が言うように疲れやストレスが

原因なのかもしれない?

選択肢が増えて良かったのか悪かったのか

気持ちが定まらないまま

しばらくしてやってきたタクシーに乗って

会社に戻った。

読んでいただきありがとうございました。

次回はパニック発作がやってきた⑪です。