パニック発作がやってきた⑭

パニック発作がやってきた⑭

パニック障害を発症した当初のお話です。

シリーズもので少しずつ記事を増やしていこうと思います。

パニック障害になってしまった人間の1例としてご覧ください。

最初から読まれる方はこちら

前回記事はこちら


抗不安薬の処方を断り

現状心臓に異常が無いと診断された僕は

先生にお礼を言い病院を後にした。

「本当に異常がないんだろうか」

「いつになったらこの感じは収まるんだろう」

健康だという結果は出たというのに全く嬉しくなかった。

仕事は相変わらず負荷を落としてもらったままで

体調が安定するまでは夜勤も無しにしてもらっていた。

そんな日々を過ごすうちに少し落ち着いてくるんだろうと思っていた。

ところがある夜両親と外食へ出かけた先で

またそれは起きた。

食事をしている最中

ドクンッ


と一拍強い鼓動を打った瞬間に

「また前みたいになる」と

異常なまでの焦りとと不安を駆りたてられた。

それからすぐに呼吸がしにくくなる

手足が痺れる

動悸が始まり脈拍が速くなる…

「心臓がおかしい…」

苦痛な顔で両親に訴えた。

これまでなんだかんだと両親の目の前で

これほどの異常を訴えたことが無かったため

両親も僕の異常さに慌てた。

2、3分して少し呼吸が落ち着いたが

僕は不安に怯えていた。

とても食事どころではなくなっていた。

そんな姿を見て両親も食事をを止め

お店を出て明日直ぐに行けそうな病院を探そうと言った。

テーブルには半分以上食事が残っていたが

足早に会計を済ませ近所の病院に向かった。

時刻は20時を回っていたため目的は

『明日開いているかどうか』だった。

この日は8月7日、お盆に差し掛かる直前だったのだ。

病院によっては早めにお盆休みに入ってしまう可能性があり

当日行ってみてがっかり…なんてことが無いよう

帰りがけに寄ってみることにしたのだ。

案の定、1件目は翌日8日から15日までの休みだった。

心の底から見に来ておいて良かったと思った。

翌日縋る思いで来てみて休みだったと知ったら

ショックも大きかっただろう。

2件目、こちらは8日も開いていた。

それにすごく安堵した。

もし症状の再発があと数日後だったら

どこの病院もお盆休みという長期連休になってしまっている。

それを想像しただけで背筋が凍る思いだ。

なんにせよ、明日この病院に来よう

そう決めて自宅に戻った。

この頃には不思議と体調も落ち着いていた。

翌日、早い時間のうちに病院に訪れた。

この病院は循環器科と内科を専門としている町医者だった。

前回行った病院よりも設備が良さそうで待合室は患者さんで一杯だった。

受付の看護師さんに自身の症状と

先日同じような内容で別の循環器科に診てもらったこと。

その結果、特に異常は見られなかったこと。

そして前日再び症状が出たためこちらを訪れたと伝えた。

予約はしていなかったため待ち時間が長くなると伝えられる。

過去にここでお世話になった時は

1時間30分位の待ち時間もあったし特に構わなかった。

待合室のソファに腰を下ろし名前を呼ばれるまで待つ。

……

程なくして看護師さんに名前を呼ばれた。

随分早いなと思ったが、先に検査を行うらしい。

検査はこれまでと同じ心電図だった。

この1か月で3回目。

それもすべて違う病院で、だ。

更にホルター心電図もあったか。

つまり4回目の心電図。

こんな事中々無いよな…

そう思いながら今回こそは何か分かってくれと願いつつ検査を受ける。

検査を受けている最中、看護師さんが話しかけてきた。

「不安ですよね、大丈夫ですからゆっくり呼吸して下さい」

どうやら、こちらの病院に来た理由は受付の方から聞いているっぽい。

だから僕も

「正直、この1か月心臓というか動悸がしたり脈が安定してないように感じて…

体調も安定しなくて、どうしたらいいか分からなくて。」

と答えた。

なんてことのない会話ではあるがなんだか落ち着いた気持になった。

検査を終え診察までの間、待合室で待つことになった。

その後診察室へ呼ばれる。

診察室には昔お世話になった先生がいた。

まあ、先生はカルテ上でしか僕の事は認識していないが。

心電図のデータを見つつ問診が始まる。

問診の内容は前の病院と変わらない。

答える僕の内容もそんなに変わらない。

むしろ同じやり取りをしてきた分

応答がスムーズとすら感じた。

心電図の結果を見た先生の判断はやはり異常なし。

血圧、脈拍も正常。心音も問題なしだった。

またか…

僕は一体どうしちゃったのだろう?

出口のない迷路をずっと彷徨ってるみたいだ。

しかし、先生はこれまでと違うことを口にした。

「血液検査してみる?」

どういうことだろう?

「循環器に問題が無いとしてゆうまるさんみたいな症状を訴える人には

甲状腺の病気になってしまっている人もいます。甲状腺炎による甲状腺機能低下によって

身体のだるさややる気の低下を訴える人がいたり、逆に甲状腺の機能が亢進し

甲状腺ホルモンが過剰に出てしまうことによって動悸等を訴える人がいます。

これらの症状は自律神経失調症や更年期障害と間違えられることが多く

健康診断で行われる血液検査では分からないことも多いです。

最近なんか調子悪いと訴えて病院で検査してもなかなか異常が見つからないと

言われる方の中には甲状腺の病気が原因だった例が多くあります。

甲状腺に何らかの異常があって急な動悸や不安を引き起こしていないか

血液検査をしてみませんか?」

そう丁寧に説明してくれた。

なるほど、そういう病気もあったのか

ここまで調べてもらって心臓に異常がないと言われてきて

八方塞がりだと思っていたところに活路が出来た気がした。

「よろしく御願いします。」

僕は即断で答えた。

読んでいただきありがとうございました。

次回はパニック発作がやってきた⑮です。