パニック発作がやってきた⑲

パニック発作がやってきた⑲

パニック障害を発症した当初のお話です。

シリーズもので少しずつ記事を増やしていこうと思います。

パニック障害になってしまった人間の1例としてご覧ください。

最初から読まれる方はこちら

前回記事はこちら

Aさんは

「実は車はもう戻ってる。」

そう言った。

僕は頭の上に「?」が飛んだ。

車はあるのになんでこの状況が続いているんだ?

僕が率直に聞くとAさんは続けて言った。

「車はあるんだが、嫁さんが会社に行くのに車を使うなって言って聞かない。

だから車を使えないんだ。」

……

………

いやいや…

車を使えない事情は分かったさ。家庭の事情と言えばそういうこともあるだろう。

けど、Aさんの家から最寄りの駅まで徒歩で5分位しか掛らない。

だったら電車でも使って行けばいいじゃないか。

わざわざ僕がこんな運転手みたいなことしなくてもいいじゃないか。

そう思っていたが、Aさんがあまりにバツが悪そうな顔をしていたので深く突っ込まなかった。

Aさんも長いこと車通勤をしていたし、これからも会社には行かなきゃいけないわけだから

奥さんを説得して車を使ってもいいように相談するだろう。

それまでは辛抱してやるか…。

僕はそう高をくくっていた。

しかし、更に1週間経っても事態は変わらない。

毎日不必要な距離を往復させられていた僕は譲歩案として

僕の最寄りの駅までは来て欲しいと伝えてみると、

Aさんは了承して次の日から最寄りの駅で合流するようになった。

ここで僕は、Aさんが電車を嫌っているわけではないということに気付いた。

・奥さんに言われているからと自家用車を使えない。

・自宅から5分で最寄駅に行けるものの電車を使おうとしていなかった。

・強制したら電車を使うが、どうしても僕の車に乗ろうとする。

これらの事とAさんの人間性を鑑みた時、僕の中で出た答えは

『理由は分からないがお金を節約したい?』だった。

この考えが浮かんだ瞬間、僕の中のAさんに対する信頼が揺らいだ。

ただ、僕の勝手な憶測も含まれていて、少し確認する必要がある。

僕はAさんに聞いた。

「家の都合で車に乗れないのは分かりましたけど、この状況いつまで続けるんですか?

今後だって車が使えないと困ることもあるでしょう?奥さん説得してくださいよ!」

そう言った僕に対する答えは僕の想像を超えてきた。

「実はな、車が壊れたのはホントで、もう家に車もある。そこまでは言ったが…。

今回車を買い替えたんだが、買う時の契約で5年間は契約以上の距離に乗れないんだ…」

聞いた瞬間は良く理解できずポカンとしたがつまり↓のようなことらしい。

 

カーリース会社がユーザーに新車を3年、5年と契約期間を決めて貸し出す(リースする)サービスがある。

3年、5年、数年後のリース期間終了時、その車両の下取り価格がどのくらいになっているか見込みで価格を設定し、その金額を車両本体価格から予め差し引く。

上記の「車両本体価格-見込み下取り価格」に通常の諸経費とさらに3年以上の契約の場合

途中で車検があるがその車検費用とメンテナンス代、さらに自動車税などを合算した金額を

ユーザーは一括または分割でリース会社に支払う。

つまり簡単に表現するなら、新車価格が300万円でリース期間終了時に100万の下取り価格が付くとするなら、

「300万円-100万円」=200万円で乗り出せる。

(厳密に言えば上記の通り車検代なども加算される)

そしてリース期間が終了した時に返却するか、買い取るか、再リース契約するかを選択する事ができる契約である。

カーリースのメリットは、車検や自動車税がすでに支払料金に含まれているのでその点を気にしなくてもよい事、

もうひとつはリース料金を分割で支払う場合、契約終了月までは月々の支払い金額が

普通にローン購入した場合よりも安く済む点である。

 

少しピンと来ない方もいるとは思うが

要は車を新しく買った際にリース契約というのをしたと。

その契約の1項目の『年間走行可能距離』が定められていて

それをオーバーしないように乗らなきゃならない。

そういうことなのだろう。

そして、それを破ると恐らくデメリットもあるのであろう。

つまり、車の購入金額を安くさせるために嫁に乗るなと言われたと嘘をつき

走行距離を抑えるために僕は僕の車を足代わりとし運転手紛いな事を続けさせられていたことになる。

そして、これは当時の推測だったが電車を使わなかったのも電車賃の節約の為だろう。

会社からは交通費が支給されるが、僕の車に乗っている間は一切かからない。

電車を使えば1日往復1000円近くかかる。

元々自家用車通勤の申請をしていたはずなので交通費も電車勢よりも多い。

電車に乗らなければ乗らないだけ交通費が浮くのである。

交通費を浮かせることについて良し悪しを言うつもりはない。

周りには交通費を浮かせるために自転車で来ている人もいる。

長い距離を自転車で来るというのは大変だし、人によっては楽だからと

車に乗る人もいるだろう。

金か時間か労力か…人によって選ぶものが違うのは否定しない。

だが、今回の件は自分の利益のために周りに痛みを負ってもらおうという考え方だ。

気に食わない!

いつまでもこんな事していられない。

この状況を打破しなくては!

理由を知った時そう思っていたが、丁度この時期

状況を好転させそうな話を所長から受けていた。

読んでいただきありがとうございました。

次回はパニック発作がやってきた⑳です。