パニック発作がやってきた⑳

パニック発作がやってきた⑳

パニック障害を発症した当初のお話です。

シリーズもので少しずつ記事を増やしていこうと思います。

パニック障害になってしまった人間の1例としてご覧ください。

最初から読まれる方はこちら

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「ゆうまるくん、4月からの2年間、別の部署に移ってくれ」

それは、僕にとって良くも悪くも衝撃的な内示だった。

僕の会社は勤務先によって自社と他社で共同企業を組む場合がある。

1つの職場を2社(以上)で受け持って仕事を受注するという業務形態である。

僕がいた勤務先もその内の1つで、所長が言う別の部署とは他社のことである。

2年間、他社に混じり他社の仕事を覚えることで有事の際に即戦力になる人材を育てることと

互いの人員関係を良好にする人材を育てるために行われている。

2年間という任期も決められていて任期を終えると新たな人員と交換するといった具合だ。

ずっと昔からある制度で、前任者が2年の任期を終えるため僕に白羽の矢が立ったのだ。

おそらく僕に話が来るずっと前に次の人選は終わっていたのだろうが

僕は少々戸惑った。

僕自身が今の現場に異動になってから半年程しか経っていなかった。

新しい現場に来て、それまでの自分のレベルの低さを実感し

仕事を覚えながら環境にも慣れていき

自分に何が足りなくて、どう成長すればいいか、

入社5年目にして仕事に対するモチベーションが最高潮に高くなった時期だった。

そんな矢先の話だ。

別の部署に行くとなると、環境と仕事に大きな変化が起きる。

同じ敷地内ではあるが働く部署が入っている建物とは数百メートル離れ、

今いる部署の人とは中々会う時間もなくなる。

始業も終業もまったく別なのだ。

別会社の一員として働くことになるが、そもそも客人のように扱われて仕事を任されない部分もあるという。

別会社はいい人が多いのだが、少しまったりとした方針らしく

その空気に中てられてモチベーションが下がるかもしれないと所長は言った。

2年という期間限定で戻れるのだが、果たして戻った時に

今と同じだけのモチベーションを維持できているか…

最近のやる気満々の僕を見ていたからか、所長も懸念していたらしく心配の声を掛けてくれていた。

だったら別の人でいいんじゃないかと思う方もいるかもしれないが。

これは順繰り回ってくるよう決まっているらしく代替要員は僕以外いなかった。

それを知った段階で、僕にも順番が来ることは分かっていたが

いつ回ってくるかまでは知らされていなかったので、あまりの速さに驚いたのだ。

新しい環境は不安だったが、新しい仕事も覚えられるし

後々できない経験かもしれないと所長の打診を了承した。

新しい部署でも夜勤と日勤が有り、日勤が以前よりも少し減り、夜勤に入る頻度は多くなる。

これを聞いたとき、

「同じ敷地内であれ、部署の入る建屋も違う。僕は夜勤も増える。

終業の時間も違うから日勤メインのAさんに付き合わされることが無くなるはず!」

そう思っていた。

内心、これで解放されるという嬉しさの方が新しい環境に置かれる不安よりも勝っていた。

ところが。

読んでいただきありがとうございました。

次回はパニック発作がやってきた21です。